院長の気になる話
歯茎が下がってきたと感じたら……

更新日:2024.11.21

歯茎が下がるとこんなデメリットが

以前、『歯の間にものが挟まるのはしょうがない?』というテーマを取り上げたところ、意外と?ご好評だったようで、今回はもう少し掘り下げてみたいと思います。

歯にものが挟まりやすくなる原因は歯茎の後退にあります。
歯茎の後退は、加齢によって歯茎が痩せてしまったり、歯周病によるケースが多いのですが、ほかにも歯ぎしりや、スポーツなどで強く歯を食いしばったり、あとは歯並びや噛み合わせによるケース、口呼吸によって歯茎が乾燥してしまい、後退するケース、糖尿病や高血圧などの全身疾患が原因となることもあります。

歯茎が下がってしまうと、歯の根っこの部分が露出してしまうので、エナメル質の下の象牙質や、さらにその下のセメント質がむき出しになり、これらはエナメル質よりも柔らかいので溶けやすく、また歯の神経に通じる道があるので、神経に刺激が伝わりやすくなってしまうんです。結果、食べ物が詰まりやすくなって虫歯や歯周病のリスクが高まるほか、知覚過敏にもなりやすいんです。
また堅いもの以外にも食べ物をしっかりと噛むことができないために、消化不良を起こしやすくもなります。スポーツをされている方だと力が入りづらくなるということもありますね。ゴルフでドライバーの距離が落ちたなんていう話もよく聞きます。


歯茎が下がらないようにするためには

では歯茎が下がらないようにするにはどうすればいいのでしょうか?

若年層を含め、最も原因として多いのが、やはり歯周病。歯周病は歯垢に潜む歯周病菌が排出する毒素によって歯茎が炎症を起こし、顎の骨(歯槽骨)が溶かされる疾患です。顎の骨が溶かされると、自ずと骨を覆っている歯茎が下がってきてしまうというメカニズムです。
そして続いて多いのが加齢。『歯の間にものが挟まるのはしょうがない?』でもお話ししたように、こればかりは仕方のない部分もあります。

ただ、歯周病の予防と、加齢による歯茎の後退を防止すること、あるいは遅らせることは可能です。
どちらも日々の正しいブラッシングと、フロスを正しく使用し、口腔内の衛生を保つというのが最も効果的です。そのうえで定期的にクリニックでクリーニングをしていただければ衛生面はほぼ心配ありません。

ただし、ブラッシングにも注意点があります。汚れを落とすという意識が強いと、自然にブラッシング自体も強くなってしまい、歯のエナメル質を傷つけてしまったり、歯茎を傷つけたりしてかえって歯茎が下がる原因となることもあります。ブラッシングは強くゴシゴシ磨くのではなく、優しく磨けば十分に効果がありますので、やわらかめかふつうの硬さの歯ブラシで優しく磨くことを心がけてください。
また補助的にはなりますが、歯周病予防の歯磨き粉を使用するのも一定の効果は得られます。


すでに下がっていても諦めないで!

また、すでに歯茎が下がってしまっているという方も、優しいブラッシングを心がけること、バランスのよい食事を心がけること、歯ぎしりや食いしばりに注意すること(歯ぎしりがひどい場合はマウスピースを使用するのも効果的です)、鼻呼吸を意識して歯茎が乾燥しないようにすることで、進行を止める、あるいは遅らせることは可能です。
さらに、歯がぐらぐらするなど、かなり進行した場合には当院でも再生治療を行なっております。今では歯周組織の再生法や、人工骨を入れたり、生体膜を付けるといった再生治療が確立されておりますので、少しでも症状に心当たりのある方、不安を感じる方は、一度かかりつけの歯科医院で診ていただいたほうがいいでしょう。



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