院長の気になる話
歯の間にものが挟まるのはしょうがない?
更新日:2023.2.6
年をとると歯の間にものが挟まりやすくなるのはなぜ?
ある程度年齢を重ねると、歯の間にものが挟まることが増えますよね。患者さんからもどうすればいいのかよく相談されます。食後のあの感じ、気になりますよね。お気持ちはよくわかります。
ただ、奥歯にものの挟まったような言い方をしないならば(日本語としておかしいですね)、年には勝てません。
身も蓋もない言い方ですが、これは仕方のないことなんです。
人間、年齢を重ねると少しずつ歯茎が痩せ、下がってきます。そうなると歯の下のほうに隙間ができて、ものが挟まりやすくなるのです。これは健康な人でも止めようがありません。
ましてや歯茎が下がる大きな原因である歯周病を患っていると、歯周病菌が歯槽骨という歯を支えている骨にまで到達し、それを破壊していきます。そうなると歯の根本が露出するわけですから、余計にものが挟まりやすくなってしまいます。
早い人では30代後半から挟まりやすくなりますし、50代後半になるとほとんどの方が挟まりやすくなります。
年には勝てない……、でも改善は可能です!
年には勝てないのなら、諦めるしかないのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。改善する方法はあります。
まずは歯の隙間ができる大きな原因である歯周病を治すこと。
そして歯茎の衰えを軽減すること。柔らかいものばかり食べていると歯周組織が衰えてきてしまうので、ある程度固いものを食べて歯に刺激を与えることが大切です。
また爪楊枝で無理に食べカスを取ろうとすると歯茎が下がってしまってかえって隙間を広げることになりかねません。できるだけ爪楊枝は使わずに適正なサイズの歯間ブラシやデンタルフロスを使うようにしましょう。家庭用の口腔洗浄器(ウォーターピック)を使うのも効果的です。そして食後の歯磨きはやさしいブラッシングを心がけてください。
また歯ぎしりも大敵です。歯ぎしりや食いしばりの原因となるストレスを軽減し、医師に相談のうえマウスピースを使用するのもおすすめです。
そのほか、糖尿病や高血圧などの疾患によって歯周病が進行しやすくなりますので、生活改善によってそのような疾患を予防、改善する必要もあります。
いつも言っていることですが、歯周病予防、正しい食生活、規則正しい生活、食後の正しい口腔ケア。これが大切ということですね。心身の健康は歯の健康につながりますし、その逆もまた然り。
日々、歯の健康を意識していきましょう。
なお、歯の隙間がどうしても気になるという方は、差し歯や部分的に詰め物をすることで隙間を埋める方法もあります。
かかりつけの歯科医にご相談下さい。
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