院長の気になる話
むし歯になりやすいおやつってなに?
更新日:2020.12.3
えっ!? あのおやつも虫歯になりやすかったの?
早いもので色々あった2020年も残りあとわずか。
クリニックにも“今年のむし歯は今年のうちに”ということでしょうか、検診、治療にやってくる患者さんが増えてきました。
混み合う時間も多くなってきますので、検診、治療のご予約はお早めにお願いします。
そして年末年始といえば子どもたちにとってビッグイベント続き。
クリスマス会(いまや子どもたち同士の忘年会まであるのだとか!)や親戚との集まりなどで、お子さんが甘いお菓子を口にする機会が増えてくることと思います。
いったい、子どもたちの集まりにどういうお菓子を出せばいいのか、むし歯になりやすいお菓子はあるのか、お悩みの親御さんも多いとのことで、今日は“おやつ事情”についてお話ししていくことにしましょう。
まず、いちばん大切なことは何を食べようがそのあとのケアが大切です。これが最大のむし歯予防となります。これが大前提ですので、特に小さいお子様がいらっしゃるご家庭では、親御さんがしっかり歯磨きチェックをお願いします。
これが大前提となりますが、おやつのなかにもむし歯になりやすいもの、なりづらいものはあります。
【むし歯になりやすいもの】
・キャラメルやソフトキャンディーなど粘着性の強い飴、いわゆる普通の飴。
・チョコレート
・炭酸飲料
・糖分を含む乳酸飲料
・スポーツドリンク
やはり糖分を多く含むもの、歯にくっつきやすいもの、酸性の飲み物がむし歯になりやすいものとして挙げられます。
最近はチョコレートでも色々な種類のものが売られているのですが、粘着性の高いもの、糖分の高いものには注意して下さい。
また、乳酸飲料は酸性の飲み物ですので、長く放置すると歯の表面を覆うエナメル質が溶けやすくなります。体に良いと思っても歯には負担をかけてしまいますので、ケアをしっかりなさって下さい。
意外なところではスポーツドリンクでしょうか。熱中症対策や部活動などに用いることも多いと思いますが、必要なミネラルとともに糖分も多く含まれています。飲みっぱなしは避けて、飲んだ後はうがいで口のなかをすすぐことを心がけて下さい。
歯科医おすすめのおやつとは?
では反対に歯科医がおすすめするおやつとはなにでしょうか。
【歯科医おすすめのおやつ】
・小魚
・りんごなどのフルーツ
・ヨーグルト
・チーズ
・キシリトール入りのガム
・カルシウム入りの糖分の少ないビスケット
子供受けするかどうかは別として(笑。でもしばらくすればすぐに慣れて好きになってくれます)、歯や骨をつくるカルシウムを摂取できるもの、ビタミン豊富なフルーツなどがおすすめです。
なかでも小魚、フルーツは余計な糖分が入っておらず、カルシウム、ビタミンが豊富。成長期のお子さんにはぴったりのおやつだと思います。
食べる際にも注意点が。
まず食べすぎないこと。そしてよく噛んで食べること。
噛む回数を増やすことで脳へ信号が伝わり食べ過ぎを抑えられます。さらに唾液の分泌量が増えますので、自浄作用で食べたものを流し、口腔内が清潔に保たれるメリットもあります。
そしてもちろん食べた後には歯を磨くこと。
食べ終わってすぐではなく、口腔内のpHが落ち着く20〜30分後に磨くのが理想的ですが、学校や(大人の場合は)職場で難しい場合もありますよね。
可能な限りは歯磨き、でもどうしても難しい場合は水でうがいをするだけでも全然違います。これはどうにか実践してほしい。ただ、これすらままならない場合は、水かお茶を飲んで下さい。それだけでも最低限のケアにはなります。
冒頭でもお話ししたように、口のなかに長時間食べ物があるというのがむし歯への第一歩。
だらだらと長時間食べ続けるのではなく、おやつはこの時間!と決めて、食べ終わったら歯磨き。多くの子どもが集まって難しい場合でも、最低限うがいをさせる。
これさえ心がけていただければ、むし歯予防にも、そしてお正月もダラけることなく良いリズムで過ごすことができるのではないでしょうか。
それでは皆さま、良いお年をお迎え下さい。
2021年もむし歯ゼロを目指して歯のケアに努めていきましょう。
以前にむし歯について取り上げています→
これが大切! 子供のむし歯予防