院長の気になる話
定期検診のススメ
更新日:2022.8.17
歯の定期検診ってなにをするの?
先日、政府はすべての国民に毎年歯科検診を受けてもらう「国民皆歯科検診」を導入する方針をまとめました。
現在も1歳半と3歳、小中高生の学校検診、特殊薬品を扱う人に義務付けられていますが、これを全国民に広げ、歯の健康を維持してほかの病気の発症を抑制、健康寿命を延ばすことを目的としたものです。
導入に賛否両論はありますが、ここではこの方針とは別に、定期検診の大切さについてお話ししていきたいと思います。
当院における定期検診では主に下記を行っています。
・虫歯のチェック
・歯石チェック
・歯周ポケットのチェック
・歯茎の腫れのチェック
・歯並びの状態
・顎の関節がずれてないか
これらを定期的にチェックすることで現在の口腔状態を把握し、問題があれば患者さんにお伝えして治療を進めていくことになります。
最近は皆さんが歯の健康にかなり気を使われているようで、虫歯が見つかるのは感覚的には3割程度。全体的に虫歯の数が減ってきている印象を受けます。
ただ、定期検診で見つかるのは虫歯だけではありません。
当院でも定期検診によって顎関節症(噛み合わせ異常、顎が開かない、開けると痛いなどの症状)や、レントゲンによって良性腫瘍(舌にできた脂肪腫や血管腫・嚢胞)が見つかったり、さらには悪性腫瘍(歯茎のガン、顎の骨のガン)が発見されたケースもあります。
定期検診で重大疾患の発見も!
また悪性腫瘍のような重大事例ではなくとも、最近の研究によって動脈硬化や心臓病、アルツハイマー病など、さまざまな疾患と関連していることが報告されている歯周病の早期発見、早期治療も定期検診の大切な役割のひとつ。
現在では40歳以上の約半数が歯周病を罹患しているとされ、特に高齢者の方は歯周病菌が肺に入り、炎症(誤嚥性肺炎)を起こすリスクが高くなっています。
そのほかコロナの影響からか、ストレスから歯ぎしりや食いしばりをする人が増えてきている印象で、そういう方にはマウスピースによる歯の磨耗の低減を提案するケースもあります。
虫歯、歯周病をはじめ、さまざまな疾患を早期に発見し、治療することは健康的な生活を送るうえで非常に大切なことなのです。
定期検診は歯石が溜まってくる3カ月から6カ月に一度受けていただくのが理想的。かかりつけの歯科医にお気軽にご相談下さい。
以前に歯周病と病気の関係について取り上げています→
日々のお口のケアがコロナに効く!?
歯周病についてはこちら→
歯を失う原因の第1位?「歯周病」